調べる・わかる

土地取得分の借入金利子は損益通算できないのか

2-03-③ 確定申告期間(2/16〜3/15)

答え:できない。法律で明示的に除外されている

不動産所得が赤字の場合、給与所得との損益通算が原則認められます。しかし土地取得のための借入金利子に対応する赤字部分は例外として損益通算が禁止されています(租税特別措置法第41条の4)。

土地取得借入金利子は不動産所得の経費として計上できますが、その分だけ赤字が拡大しても損益通算には使えません。結果として節税効果はゼロになります。

なぜ禁止されているか:土地は建物と異なり時間の経過で価値が減少しません(非減価資産)。土地購入の借入金利子を損益通算に使えると、高所得者が節税目的で土地を購入するインセンティブになるため、政策的に制限されています。

根拠・参照
租税特別措置法 第41条の4 土地取得借入金利子の損益通算の特例制限 e-Gov →
所得税法 第69条 損益通算の原則 e-Gov →
タックスアンサー No.2250 損益通算 国税庁 →

建物優先充当の原則

1本のローンで土地と建物を一括購入している場合、利子を「建物分」と「土地分」に分ける必要があります。この分け方には建物優先充当方式(残高基準法)が用いられます。ローン残高からまず建物取得価額を充当し、残りを土地取得分とみなします。

例)ローン残高 2,200万円の内訳(建物1,000万円・土地1,200万円)
建物分 1,000万円
土地分 1,200万円
建物分(損益通算OK)
土地分(損益通算NG・節税効果ゼロ)
1
建物取得分の残高を確定する
ローン残高(2,200万円)のうち、建物取得価額(1,000万円)までを建物分とみなす
建物取得分残高:1,000万円
2
土地取得分の残高を確定する
ローン残高から建物分を差し引いた残りが土地取得分
土地取得分残高:2,200万円 − 1,000万円 = 1,200万円
3
それぞれの利子額を按分する
年間利子60万円 × 各残高 ÷ 総残高2,200万円
建物分利子:60万円 × 1,000÷2,200 ≒ 27万円(損益通算OK)
土地分利子:60万円 × 1,200÷2,200 ≒ 33万円(損益通算NG・節税効果ゼロ)
詳しい計算手順はこちら
1-02-① ローン利息のうち土地取得分の利息はどう区分するか →

例題(固定数値)

例)不動産赤字60万円・土地分利子33万円のケース
不動産所得(赤字合計)▲ 600,000円
うち土地取得借入金利子(損益通算不可)330,000円分を除外
損益通算できる赤字額▲ 270,000円
給与所得4,360,000円
合計所得金額(損益通算後)4,090,000円

土地取得借入金利子33万円分の赤字は損益通算に使えません。経費計上しても節税効果はゼロです。損益通算できるのは残りの27万円分のみです。

次の論点へ
2-03-④ 所得控除をすべて使えるか →
詳しく計算する
シミュレーター Tab⑤(合計)を開く →