不動産所得が赤字の場合、給与所得との損益通算が原則認められます。しかし土地取得のための借入金利子に対応する赤字部分は例外として損益通算が禁止されています(租税特別措置法第41条の4)。
土地取得借入金利子は不動産所得の経費として計上できますが、その分だけ赤字が拡大しても損益通算には使えません。結果として節税効果はゼロになります。
なぜ禁止されているか:土地は建物と異なり時間の経過で価値が減少しません(非減価資産)。土地購入の借入金利子を損益通算に使えると、高所得者が節税目的で土地を購入するインセンティブになるため、政策的に制限されています。
1本のローンで土地と建物を一括購入している場合、利子を「建物分」と「土地分」に分ける必要があります。この分け方には建物優先充当方式(残高基準法)が用いられます。ローン残高からまず建物取得価額を充当し、残りを土地取得分とみなします。
| 不動産所得(赤字合計) | ▲ 600,000円 |
| うち土地取得借入金利子(損益通算不可) | 330,000円分を除外 |
| 損益通算できる赤字額 | ▲ 270,000円 |
| 給与所得 | 4,360,000円 |
| 合計所得金額(損益通算後) | 4,090,000円 |
土地取得借入金利子33万円分の赤字は損益通算に使えません。経費計上しても節税効果はゼロです。損益通算できるのは残りの27万円分のみです。