1-01-② 調べる・わかる

白色申告と青色申告、
どちらにすべきか

対象:白色申告を選択するサラリーマン大家さん(初年度)

結論:物件1〜2件を保有する段階では、白色申告で十分です。減価償却による赤字を給与所得と損益通算できる点では、白色も青色も変わりません。青色申告の控除メリットは、赤字の段階ではほぼ意味をなしません。

「青色申告にすれば65万円の特別控除がある」と聞いて、白色申告のままでいいのか不安になる方が多いです。しかし、この控除が不動産所得に適用されるのは、事業的規模(5棟10室基準)を満たす場合のみです。1〜2室のサラリーマン大家さんには、65万円控除は適用されません。

また、青色申告でも10万円の特別控除は受けられますが、不動産所得が赤字の場合には控除できる所得がゼロになるため、10万円控除も65万円控除も実質的に意味がありません。

白色申告を選ぶサラリーマン大家さんにとって、整理すると以下のとおりです。

青色申告
記帳義務複式簿記(65万円の場合)
損益通算できる(土地分利子除く)
赤字繰越3年間繰越可
特別控除10万円(簡易帳簿)/65万円(5棟10室かつ複式簿記)
申告の手間多い

重要:赤字のときは青色控除に意味がない

青色申告特別控除(10万円・65万円)は、不動産所得の黒字から差し引くものです。減価償却などで不動産所得がすでに赤字になっている場合、控除できる所得がないため、10万円控除も65万円控除も節税効果はゼロです。サラリーマン大家さんが減価償却期間中に青色申告に切り替えるメリットは、赤字の3年繰越のみとなります。

青色申告への切り替えが有意義になる2つのタイミング

①物件が増えて事業的規模(5棟10室基準)を満たすことで65万円控除が適用できるようになったとき。②減価償却が終わって不動産所得が黒字化し、10万円控除でも節税効果が生まれるようになったとき。減価償却期間中の赤字段階では、青色に切り替えても控除メリットはありません。

ケース:中古マンション1室・取得価額1,500万円・耐用年数10年・ローンあり

  • 減価償却費:約150万円/年 → 不動産所得が赤字になりやすい
  • 白色申告でも:赤字を給与所得と損益通算 → 所得税・住民税の還付が受けられる
  • 青色に切り替えても:不動産所得が赤字のため10万円・65万円控除ともに効果なし
  • 結論:この段階では白色申告で十分。申告の手間が少ない分、有利

参照・根拠

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