📅 年度末準備(12〜1月)

論点 1-02-②

敷金・礼金・更新料の収入計上タイミングはいつか

家賃は毎月入金されるのでわかりやすいですが、敷金・礼金・更新料は「受け取った時期」と「税務上の収入に計上する時期」が異なる場合があります。年度末の集計前に、それぞれの計上ルールを正確に把握しておきましょう。
📋 法令:所得税法 第36条 📋 通達:所得税基本通達 36-5 🔗 タックスアンサー No.1376
種類別 収入計上タイミング一覧
種類 計上タイミング 根拠・注意点
礼金 受け取った年に全額 返還義務なし。受取時に権利確定。所法36条・基通36-5
更新料 受け取った年に全額 返還義務なし。受取時に権利確定。複数年分を一括受領した場合も、個人の不動産所得は権利確定主義(所法36条)が原則のため、受取年に全額計上する。所法36条・基通36-5
共益費・管理費 受け取った年に全額 家賃と同様に処理。実費精算の有無にかかわらず収入計上。所法36条
敷金・保証金返還あり 返還不要が確定した時点 受取時は預り金(収入外)。退去時に差し引いた金額のみ収入計上。所法36条
敷金・保証金返還なし 受け取った年に全額 契約上返還しないと定められている部分は礼金と同様に扱う。所法36条

※ 所得税基本通達36-5:不動産所得の収入すべき時期は「契約・慣習等により支払日が定められているものは支払日、定められていないものは実際に支払いを受けた日」による。

具体例で確認する
1 敷金10万円のうち、退去時に修繕費2万円を差し引いて8万円を返還した
敷金10万円は預り金のため、受け取った年は収入計上しない。退去時に修繕費として差し引いた2万円が返還不要と確定した時点で収入に計上する。
収入計上額:2万円(退去が確定した年に計上)
2 礼金20万円を入居時に受け取った
礼金は返還義務なし。受け取った時点で収入が確定する。
収入計上額:20万円(受け取った年に全額計上)
3 2年契約の更新料12万円を令和8年1月に受け取った
個人の不動産所得は所得税法第36条の権利確定主義が原則。更新料は受け取った時点で返還義務のない収入として権利が確定するため、受取年(令和8年分)に全額計上する。
根拠:所得税法第36条、所得税基本通達36-5
収入計上額:12万円(令和8年分に全額計上)
⚠️ 注意:敷金の「償却」条項がある場合
契約書に「敷金のうち○万円は償却する(返還しない)」という条項がある場合、その金額は受け取った年に収入計上します(返還予定の残額は引き続き預り金)。契約書の確認が重要です。

参照・根拠
📋 所得税法 第36条(収入金額) 📋 所得税基本通達 36-5(不動産所得の収入すべき時期) 🔗 タックスアンサー No.1376 保証金・権利金・礼金
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