物件を一括で取得した場合、建物本体と附属設備が混在しています。これらを分けずに建物全体として償却すると、給湯器やエアコンにも建物と同じ長い耐用年数(RC造なら47年)を適用することになり、節税の機会を失います。附属設備を分離して短い耐用年数で償却することで、初期の減価償却費を増やすことができます。
附属設備の取得価額をどうやって把握するか
売買契約書の付属明細や仲介業者の価格内訳書に附属設備の価格が記載されていればそれを使用します。記載がない場合は、固定資産税評価額通知書の内訳や、前オーナーの償却資産税申告書を参照します(1-01-③参照)。いずれも入手できない場合は、建物全体として一括で償却することになります。
ケース:建物取得価額7,088,238円のうち附属設備(給湯器・エアコン)が500,000円と判明している場合(RC造・中古・簡便法耐用年数10年とする)
| 【分離しない場合】建物全体を一括償却 | ||
| 区分 | 取得価額 | 年間償却費 |
|---|---|---|
| 建物全体(耐用年数10年・償却率0.100) | 7,088,238円 | 708,823円 |
| 【分離した場合】附属設備を別途償却 | ||
| 区分 | 取得価額 | 年間償却費 |
| 建物本体(耐用年数10年・償却率0.100) | 6,588,238円 | 658,823円 |
| 附属設備(耐用年数6年・償却率0.167) | 500,000円 | 83,500円 |
| 合計 | 7,088,238円 | 742,323円 |
附属設備を分離することで年間の減価償却費が約33,500円増加します。不動産所得が赤字になりやすい初期段階では、この差が損益通算額に影響し、節税効果として現れます。
税務リスク経験則による按分について
7:3や8:2などの経験則的な割合による按分は、根拠が主観的であり、税務調査時に否認されるリスクがあります。特に附属設備の割合を高く設定すると「租税回避目的」と疑われる可能性があります。このようなリスクの判断は、白色申告をされる納税者ご本人の判断でお願いします。
参照・根拠