1-01-⑥ 調べる・わかる

取得価額の土地と建物の
按分はどうするのか

対象:白色申告を選択するサラリーマン大家さん(初年度)

減価償却できるのは建物部分のみです。土地は償却できません。取得価額を土地と建物に按分する方法は4つあります。まず売買契約書を確認し、内訳や消費税額の記載があればそれを優先します。記載がない場合は固定資産税評価額の比率で按分します。

売買契約書に「土地○○円・建物○○円」と明記されていれば問題ありません。しかし多くの場合、「土地・建物一括○○円」と記載されており、自分で按分計算をする必要があります。按分方法によって建物の取得価額が変わり、減価償却費の金額に直接影響します。

方法① 売買契約書に土地・建物の内訳記載あり 最も簡単

売買契約書に土地・建物それぞれの金額が明記されている場合は、その金額をそのまま使用します。追加の計算は不要です。

ただし建物価格が著しく高い場合(消費税節税目的の操作と疑われる場合)は税務署に否認されることがあります。

方法② 売買契約書の消費税額から逆算 推算

土地の売買は消費税非課税、建物の売買は消費税課税です。売買契約書に消費税額が記載されている場合、消費税額から建物価格を正確に逆算できます。

建物価格 = 消費税額 ÷ 10%
土地価格 = 売買価格(税抜) − 建物価格

消費税額の記載がある場合は、方法①の次に優先して使用します。

方法③ 固定資産税評価額の比率による按分 一般的

市区町村が算定した固定資産税評価額(土地・建物それぞれ)の比率を使って按分する方法。①②が使えない場合に用います。税務署が認めやすく、客観的根拠が明確です。

建物の取得価額 = 取得価額合計 × 建物の固定資産税評価額 ÷ (土地+建物の固定資産税評価額)

固定資産税評価額通知書(毎年4〜6月に届く)または固定資産評価証明書で確認できます。

方法④ 不動産鑑定評価による按分 高コスト

不動産鑑定士による鑑定評価額の比率で按分する方法。費用がかかるため、高額物件や争いが生じやすいケースに限って使用します。通常のサラリーマン大家さんには不要です。

重要:土地の取得原価は減価償却に使わないが必ず記録する

土地は減価償却できませんが、①将来の売却時に譲渡所得の計算(取得費の算定)、②ローン利息のうち土地取得分の損益通算制限(租税特別措置法第41条の4)の計算、の2点で必要になります。土地分の取得価額も必ず記録してください。

ケース①:契約書に消費税額の記載なし → 方法③(固定資産税評価額比率)を使用
取得価額合計21,286,000円・固定資産税評価額(土地8,000,000円・建物4,000,000円)

【按分計算】
土地の割合 8,000,000 ÷ 12,000,00066.7%
建物の割合 4,000,000 ÷ 12,000,00033.3%
土地の取得価額 21,286,000 × 66.7%14,197,762円
建物の取得価額 21,286,000 × 33.3%7,088,238円

ケース②:契約書に消費税額900,000円の記載あり(売買価格税込20,900,000円)→ 方法②を使用

建物価格の逆算 900,000 ÷ 10%9,000,000円
土地価格 20,000,000(税抜)− 9,000,00011,000,000円

参照・根拠

次の論点

建物本体と附属設備はどう按分するのか

1-01-⑦ を見る →

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Tab③「減価償却」で建物取得価額を入力できます

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