売却益は白色申告のシミュレーターで計算できるか
イベント06:売却検討時 / 論点 3-06-①
✗ 本サービスのシミュレーターでは計算できません
物件を売ったときの利益(譲渡所得)は、家賃収入の計算(不動産所得)とは所得の種類がまったく異なります。本サービスは不動産所得の計算専用のため、売却益の計算には対応していません。
サラリーマン大家さんに関係する「所得の種類」
所得税は「所得の種類」ごとに計算ルール・申告書の様式が異なります。サラリーマン大家さんが関係する主な所得は次の3つです。
① 給与所得
会社からの
給料・賞与
会社が年末調整
② 不動産所得
家賃・管理費
などの収入
◀ 本サービス対応
①と合算して確定申告
③ 譲渡所得
物件を売却した
ときの利益
本サービス対象外
別途、申告書が必要
⚠ 申告書の様式も別になります
不動産所得は確定申告書(第一表・第二表)+収支内訳書で申告しますが、譲渡所得は別途「分離課税用の申告書(第三表)」と「譲渡所得の内訳書」が必要です。計算ルールも様式も異なるため、本サービスでは対応できません。
売却益(譲渡所得)はどう計算するのか
土地は償却しないため、土地部分は購入価額のまま取得費になる。
建物は毎年の減価償却で帳簿価額が下がるため、保有期間が長いほど帳簿価額は低くなり、売却益が膨らみやすくなる。
「先に軽くした税が、売却時に戻ってくる」しくみ
保有期間中と売却時の課税イメージ
保有期間中
(毎年)
減価償却費を計上
→
不動産所得が減り
税負担が軽くなる
↓
売却時
(一括)
帳簿価額が低い分だけ
譲渡益が大きくなる
→
売却年に
まとめて課税される
保有中に減価償却で「先送りしていた課税」が、売却時に譲渡益という形でまとめて戻ってくる。
これを「課税の繰延」という。所法33条
個人が長期保有すると税率が大きく下がる
課税の繰延により売却時の譲渡益は大きくなりやすいが、個人の場合は保有期間が5年を超えると税率が大幅に優遇される。法人にはこの優遇がなく、個人ならではのメリット。
| 区分 |
判定基準 |
所得税率 |
住民税率 |
合計税率 |
| 短期譲渡所得 |
売却年の1月1日時点で 保有5年以下 |
30% |
9% |
39% |
| 長期譲渡所得 |
売却年の1月1日時点で 保有5年超 |
15% |
5% |
20% |
⚠ 「5年」の判定は売却年の1月1日時点
購入から満5年が経過していても、売却した年の1月1日時点でまだ5年以下であれば短期扱い(39%)になる。1月1日をまたいで売却するかどうかで税額が大きく変わる可能性がある。
✓ 長期保有なら「課税の繰延」がむしろ有利に働く
保有中に減価償却で税を先送りし、売却時は低い税率(20%)で課税される。減価償却による節税効果を享受しながら、低税率で売却できる——これが個人の長期保有不動産投資の税務上の大きなメリット。
売却を検討している方へ
売却益の計算・売却タイミングの判断・3,000万円特別控除など各種特例の適用可否まで、個別の状況をふまえたアドバイスが必要です。早めに担当税理士にご相談ください。
有料相談を申し込む →
参考法令:所得税法第33条(譲渡所得)、租税特別措置法第31条(長期譲渡所得の課税の特例)、第32条(短期譲渡所得の課税の特例)